竹で作った笠骨に、菅を縫い合わせた縫い笠。
菅は通気性が良く、腐りにくい。日除け、雨除けに使用され、雪に対しても強く、
昔は蓑や合羽と併用して労働や道中にも使われた。現在は農作業を中心に使用される。
(福岡町の菅と菅笠より)
もともと福岡の地に自生していたという菅。菅笠の技法は、中世に京都の禅僧から伝えられた、近世に伊勢国から伝えられた、など諸説ある。
菅笠づくりは江戸時代に発展。後期には福岡町に笠問屋ができ、九州・関東・東北地方まで販売先を広げた。現在も全国の90%以上を福岡で生産している。(福岡町の菅と菅笠より)
※写真は福岡駅プラットホームの何百枚もの荷笠(昭和10年頃)
(越中福岡の菅笠製作技術保存会より)
菅笠製作は、農閑期の副業として行われてきた時代背景もあり、工賃が安い。
そのため、菅笠製作を生業と出来る職人はほとんどおらず、
職人の成り手不足も深刻となっている。と同時に職人の高齢化が進み、年々人数が減少。
菅の栽培面積も年々少なくなりつつある。
菅笠製作は、分業制であり、菅の制作、笠骨製作、菅の縫い付けと、別の職人が行うことがほとんどである。
煌雲では、すべてを一貫して行うことで、品質の向上とストーリーの見える商品を作ることができる。また作家作品としての菅笠を作ることで、実用品としてだけではなく、作品としての菅笠を提案。菅笠の可能性を広げた。
本物の良さを伝える。